広告
地球と遊ぼう、ハイジの丘協会 Quiet London 2 = 世紀の特別展レオナルド・ダ・ヴィンチ

Quiet London 2 = 世紀の特別展レオナルド・ダ・ヴィンチ 

こんなに胸が高鳴った展覧会は、なかった。
金曜日の夕方、ダ・ヴィンチの展覧会へ。
National Gallery, London

ナショナル・ギャラリーで、2月5日まで、イタリア・ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)の特別展覧会「Leonardo da Vinci: Painter atthe Court of Milan」が開かれている。傑作「白貂を抱く貴婦人(Lady with an Ermine)」や、昨夏ニューヨークで発見された「救世主キリスト(Christ as SalvatorMundi)」の初公開など、現存する数少ない作品のうち、半数にあたる9点という名作がこれまでで最も多く一堂に介する歴史的な機会なのだ。名画の饗宴を一目見ようと、会場は国内外から訪れた来場者の熱気に包まれた。
ナショナル・ギャラリー特別展「Leonardo da Vinci: Painter atthe Court of Milan」

最大の見所は、最近修復が完了したナショナル・ギャラリー所蔵の「岩窟の聖母(Virgin of the Rocks)」と、パリのルーブル美術館から出展される同名の作品「岩窟の聖母」が、史上初めて対面したことだ。

ルーヴル所蔵の絵を先に書き、後年、同じ構図でナショナルギャラリー所蔵の絵を描いたとされる。
Virgin of the Rocks
Virgin of the Rocks.
左: ナショナルギャラリー所蔵(1495-1508), 右: ルーヴル所蔵 (1483-1486)
一つの部屋に向かいあわせに飾られており、交互に見比べることができるという、贅沢な時間。

もう一つ、注目されたのが名作「白貂を抱く貴婦人(Lady with an Ermine)」だ=写真下=。15世紀、レオナルドが女性を描いた4枚しかない作品のひとつだ。第二次世界大戦中にナチスがポーランドから収奪し、戦後、ポーランドのチャルトリスキ美術館に返還された。美女はルドヴィーコの16歳の恋人チェチーリア・ガッレラーニ。今回の展示会の広告にもなっていて、絹のような滑らかな肌と清楚なオーラが漂っている。
Lady with an Ermine

レオナルドの絵画は希少で、全て合わせても15~20点以下とされ、学者によってその数は異なる。そのうち9点が集まる機会は過去にもなかった。油彩にデッサンを含め、展示された約90点のうち7割がレオナルドの作品だ。この世紀の展示会を見逃すまいと、ロンドン市民の注目も高く、日時指定の前売り券は即完売し、e-bayのオークションでは200ポンドの高値もついた。展覧会には、ヨーロッパ各国のみならず日本からも鑑賞ツアーが組まれ、ギャラリーは混雑を避けるため30分間に180人までの入場制限を行った。前売り券を逃した人たちは、500枚限定の当日券を入手するために、早朝から3、4時間かけて並んだのだが、十分にその価値はあっただろう。幸運なことに、私は前売り券を譲って頂いたのだ。
 
Christ as SalvatorMundi 
今回初公開されたのが2011年7月、ニューヨークで発見された幻の絵画、キリストを描いた「サルバトール・ムンディ=救世主(Christ as SalvatorMundi)」だ=写真上=。米国の美術誌によると、7世紀には英国王チャールズ1世のコレクションだったが、1763年に競売に掛けられ、1900年には傷んだ状態でコレクターに売却。さらに、その親族が58年に45ポンドで売却した。
所有者によると、専門家らによる調査の結果、描画方法や用いられた絵の具などからレオナルドの作品と判明したのだとか。現在では2億ドル(約156億円)の価値があると推計される。実際にキリストがそこにいるかのような感覚と、遠く離れているような感覚の両方があり、研ぎ澄まされた思考が凝縮しているようだった。

展覧会は、レオナルドの生涯でも実り豊かだった、ミラノのスフォルツァ宮廷に仕えた時期(1482-1499年)に焦点が当てられた。ミラノを支配していたルドヴィーコ・スフォルツァがパトロンだ。発明家、科学者、設計者としての側面に焦点を当てた展覧会はこれまでも世界で数多く開催されてきたが、画家としてのレオナルド・ダ・ヴィンチに焦点を当てた展覧会は珍しい。

個人的に興味深かったのは、解剖した骨格や、腕の長さを記したデッサンや動物の足のドローイングの数々だ。これらの手稿は、科学者としての図的表現と、芸術家としての美術的表現が混在していて、彼の様々な活動と、総合的な視点がレオナルドの独創性をつくりあげたように思えた。地質学、気象学、天文学、都市計画などにおいても歴史的な業績を残し、ルネサンスの真っただ中で、誰知らぬもののない名画を生み出した万能の巨人、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの素描dogs paw

フィナーレは、ミラノの修道院に描かれた壁画「最後の晩餐」のレプリカだ。ロイヤル・アカデミーから貸し出され、「最後の晩餐」の準備のために描かれた素描と共に展示された巨大画だ。

ハイライトまで約2時間かけて鑑賞を終え、興奮さめやらぬまま、ナショナル・ギャラリーの別館、ポートレート・ギャラリー最上階へ、駆け足で。トラファルガー広場の夜景を見下ろせる隠れバー&ダイニング「ポートレート・レストラン」でヒラメのソテーを注文し、レオナルド談義に花を咲かせた。窓際席の最終予約は午後8時20分です。


■特別展: ミラノ宮廷時代の画家レオナルド・ダ・ヴィンチ
LEONARDO DA VINCI - PAINTER AT THE COURT OF MILAN
期間: 2011年11月9日 ~ 2012年2月5日 (12月24ー26日を除く毎日)
会場:英国ロンドンのナショナル・ギャラリー(セインズベリー・ウィング) - The National Gallery (住所:Trafalgar Square, London WC2N 5DN, United Kingdom)
入場料:一般16ポンド。
時間:10:00~18:00(金・土曜日は22:00まで。日曜日は19:00まで)

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://heidihill.blog26.fc2.com/tb.php/1304-f008049e